
「今日は年金の振込日ね」——年金支給日に金額を確かめて、はい終わり。
そんな方は多いのではないでしょうか。
でも実は、年金は「受け取ったあとに何をするか」で、この秋からの手取りもお金の不安も変わってきます。
しかも、10月の振込分から天引きされる金額が変わる方が多いのを、ご存じでしょうか。
今日はボクが、自分の母に話すつもりで「年金支給日にやってほしいこと2つ・やらないでほしいこと2つ」をやさしくお伝えします。
全部やらなくて大丈夫です。1つだけでも「やってみようかな」と思えたら、それが第一歩ですよ。
年金支給日は「振込額の確認」だけで終わらせないで
振込額をチェックすること自体は、とても良い習慣です。
悪いことではありません。ただ、金額を確認して終わってしまうのが、ちょっともったいないのです。
ここで正確に整理しておきますね。年金額の改定率は毎年1月に翌年度分が公表され、6月支給分から反映される仕組みです。
増額かどうか、何%かは年度ごとに変わりますので、厚生労働省・日本年金機構の最新の公表値をご確認ください。
「増えたはずなのに、増えた感がない」
「それどころか貯金が減っていて不安」
そんな声を本当によく聞きます。決してあなただけではありません。
年金支給日にまつわる話として、今日お話しするのはこの4つです。
- やってはいけない①:6〜7月に届いた保険料の通知を放置する
- やってはいけない②:お金に「色」をつけないまま使う
- やった方がいい①:NISAでの資産運用
- やった方がいい②:月3万円の収入アップを目指す
気になるところだけ読んでも大丈夫ですよ。
【やってはいけない①】6〜7月に届いた保険料の通知を放置する

確認していただきたい通知は2つです。
1つは国民健康保険料の決定通知(国保に加入されている方)、もう1つは介護保険料の決定通知です。
届く時期は、多くの自治体で6月下旬〜7月。
封筒のまま、書類の山に埋まっていませんか。
1年見ていない方も珍しくありませんので、ご安心ください。
数字がびっしり並んでいて読む気になれない、という方もいらっしゃると思います。
その場合は「保険料が大きく変わっていないか」——この1点だけでOKです。前年の通知が残っていれば、並べて見比べるだけで違いが見えてきますよ。
なぜ10月の年金支給日から天引き額が変わるの?仮徴収と本徴収

「通知は見たけれど、8月の振込額は変わっていないわ」——鋭いご指摘です。
実は、反映されるのは多くの自治体で10月の振込分からなのです。
8月までの天引きは、前年度をもとにした「仮」の金額(仮徴収)。
10月以降が本決定額(本徴収)になります。
夏に予告のお知らせが届いて、実際の請求は秋から届く。そんなイメージですね。
このタイムラグがなかなか厄介で、通知を見た記憶が薄れたころに金額が変わります。
だからこそ、いま通知を見て「10月から◯円変わるんだな」と心の準備をしておくだけで、秋の年金支給日の驚きを防げます。
なお時期や運用は自治体によって異なりますので、心配な場合はお住まいの市区町村にご確認ください。
保険料が数百円増えている理由|子ども・子育て支援金とは

2026年4月から、医療保険料に上乗せされる形で「子ども・子育て支援金」の徴収が始まりました。
いわゆる「独身税」と呼ばれることがありますが、これは俗称です。実際は独身・既婚を問わず、医療保険に加入している方が広く負担する仕組みですので、誤解のないようにしてくださいね。
こども家庭庁の試算では、初年度(2026年度)の加入者1人あたり平均は月250円程度、2028年度にかけて段階的に450円程度へ引き上げられる見込みとされています。
ただし負担額は加入する医療保険の種類や所得によって異なり、全国一律ではありません。
2026年時点の情報ですので、最新の金額はこども家庭庁・厚生労働省の公表資料でご確認ください。
保険料が1,000円単位で増えていたら?内訳の確認と窓口相談のコツ

数百円程度の増加なら、支援金の影響として説明がつきます。
でも1,000円単位で変わっている場合は、内訳を見てみてください。
前年の通知と見比べて、どの項目が増えているか。家族構成や所得の反映が正しいかがポイントです。
計算の前提が違っていると、多く払ってしまうケースが起こりえます。
気づかないと、そのまま払い損になってしまうこともあります。
わからなければ、遠慮なく役所の窓口へ。
おすすめは、できれば日を変えて2回、別の担当者に確認すること。面倒なんですけどね…(^_^;)
というのも、窓口の方が必ずしも専門職とは限りません。
ボクも教員を辞めるとき、国民健康保険と任意継続のどちらが安いかを役所で試算してもらいました。
けれど、出てきた金額が違っていました。
家で調べ直して「おかしいな」と思い、もう一度うかがって正しい数字を教えてもらえたのです!
役所を疑うという話ではありません。
「自分の暮らしのことは自分で確かめる」というだけのことです(^^)。
【やってはいけない②】受け取った年金に「色」をつけないまま使う

「お金に色はない」とよく言いますね。でも家計では逆です。
使う目的を決めてしまったほうが、ずっとラクになります。
分類は2つだけで十分です。「使えないお金」と「使えるお金」。
使えないお金は、固定費、住宅ローン、持病の医療費、税金・社会保険料。そして見落としがちな「特別費」です。
収入 − 使えないお金 = 使えるお金。この順番がとにかく大事です。
先に使えるお金を取り分けてしまうと、あとで足りなくなります。
お金に困りやすいのは、使えないお金を差し引いていない方、そして使えないお金が多すぎる方です。
ボクも昔はスマホを2台持ちで、通信費だけで月2万円ほど払っていました。
あのころは家計簿を見るのが怖かったですね。いや、見てなかった(知らないふり)かも…(^^;;
見落としがちな「特別費」とは?年間の目安を12で割る

特別費とは、不定期だけれど必ずかかるお金のことです。
冷蔵庫やエアコンなどの家電、旅行、車の買い替え、冠婚葬祭、家の修繕。
「いつ来るかわからないけれど、必ず来る請求書」だと思ってください。
年間でいくら必要かをざっくり出して、12で割って毎月積み立てておく。
それだけで急な出費に慌てなくなります。完璧でなくて大丈夫です。1万円単位のざっくり計算で十分ですよ。
月単位が苦手な方へ|年金を「1週間の予算」に分ける方法

年金は2か月に1度の支給ですから、月単位で管理しようとすると崩れやすいのです。
そこで、次の年金支給日までの週数で割ってみてください。たとえば8月14日から10月の支給日まで約9週間なら、振込額を9で割る。それが1週間分の予算です。
封筒に1週間分ずつ分けたり、別口座に移したりすると、目で見てわかります。
1日単位は細かすぎて続きません。週単位がちょうどいい塩梅ですよ。
固定費の見直しは「なくす」より「代わりを探す」
見直しの代表格は、通信費・保険・自動車関連・ジムなどの会費です。
コツは、いきなりゼロにしないこと。
同じ内容で安い代わりを探すのです。
ボクはスポーツジムに月1万円払っていましたが、近所の公共施設なら1回100〜200円で使えました。
固定費は一度見直せば効果がずっと続きます。いわば利回りのいい家計改善ですね。
【やった方がいい①】NISAは60代・65歳からでも遅くない

「今さら遅いのでは」——一番多い声です。そのお気持ち、よくわかります。
でも、たとえば65歳の方の15年後は80歳。80歳以降の生活費として備えるお金なら、時間はまだあります。
長期で保有すると値動きのブレが小さくなる傾向はあります。
ただしこれは特定の指数・期間の過去実績にもとづく話です。
対象資産や為替によって結果は変わりますし、将来の元本を保証するものではありません。
ここは正確にお伝えしておきますね。
一方で、現金だけで持ち続けることにも「価値が目減りする」というリスクがあります。
始め方については別の記事・動画でくわしくご案内していますので、そちらをのぞいてみてください。
ハンバーガー60円が190円に|現金の価値はどう変わる?
ボクが高校に合格したとき、母にハンバーガーを買ってもらいました。当時は1個60円ほど。
200円で3個買えた時代です。
それが今は1個190円ほど。同じ200円で1個しか買えません。これがインフレです。
通帳の数字は変わらなくても、買えるものは減っていくのですね。
どうしてもリスクを取りたくない方には、個人向け国債という選択肢もあります。
利益は小さいですが、安全度は高い商品です。
「大切な貯金を減らしたくない」というお気持ちは、まったく間違っていません。選択肢を並べて、ご自身で選んでいただければ十分ですよ。
【やった方がいい②】年金+月3万円の収入アップを目指す
目標は「収入ゼロからの脱出」です。年金以外に月3万円でも、家計は大きく変わります。
効果は3つあります。
1つ目は収入が増えること。
2つ目は働いている間は支出も減ること(光熱費や、出かけ先での出費)。
3つ目は貯金の取り崩しが減ることです。
かつての老後2,000万円問題も、月5〜6万円の赤字が20〜30年続く、という前提の計算でした。
つまり収入ゼロを想定した話なのです。月3万円をNISAの積み立てに回す選択肢もありますね。
資産の寿命が延びる。それはそのまま、安心につながります。
働くことは最大の節約になる|介護費用はいくらかかる?
老後にお金が出ていく大きな要因は、医療費と介護費用です。
生命保険文化センターの調査では、介護費用は月平均9万円前後(年間約100万円強)、住宅改修などの一時費用は平均約47万円とされています。
ですから「介護が必要になる時期を1年でも後ろにできれば、100万円台の差になる可能性がある」という見方ができます。あくまで概算で、前提によって幅がありますので、目安として受け取ってくださいね。
働くことは、体を動かし、人と会い、生活リズムが整うという健康面のメリットもあります。
ただし、心を壊すような職場なら早く離れてください。無理を続けることは、おすすめしません。
65歳以降も使える制度|給付金の受給・学び直し・小さな起業
国は65歳以上の就労を後押ししていて、雇用保険の給付金やリスキリング(学び直し)支援などの制度があります。
雇用保険には、65歳以上の方が離職したときに受給できる「高年齢求職者給付金」という制度もあります。
被保険者期間などの要件で支給日数が変わりますので、手続きや詳細はハローワークでご確認ください。
起業についても少し。
60歳以上の割合は、日本政策金融公庫の新規開業実態調査では1割前後、総務省の就業構造基本調査ベースでは3割前後と、調査によって数値が大きく異なります。
数字はさておき「シニアの起業は珍しくない」というのは確かです。
経験を活かした小さな起業なら、必要な機器を経費にできるメリットもあります。
ボク自身、教員を辞めて独立し、収入がぐっと下がった時期もありました。それでも後悔はしていません。
年金や保険料の数字は毎年変わります|確認先の一覧
年金の改定率、保険料、支援金の額は、いずれも年度ごとに見直されます。この記事の数字は執筆時点の目安です。
- 年金:日本年金機構・厚生労働省
- 子ども・子育て支援金:こども家庭庁
- 国民健康保険料・介護保険料:お住まいの市区町村
- 雇用保険の給付:ハローワーク
介護費用や運用の実績値は、調査主体や前提によって幅があります。あくまで目安としてご覧ください。投資は元本が保証されるものではありませんので、最終的なご判断はご自身でお願いします。
まとめ|年金支給日にできることは1つだけでも大丈夫ですよ
今日お伝えしたのは、年金支給日にやらないでほしいこと2つ(6〜7月に届いた保険料の通知を放置する/お金に色をつけないまま使う)と、やった方がいいこと2つ(NISAでの運用/月3万円の収入アップ)です。
でも、全部やる必要はまったくありません。まずは6〜7月に届いた保険料の通知を探して、金額を見るだけ。
それだけでも、10月に天引き額が変わったときに慌てずにすみます。
通知をため込んでいたことが悪いのではありません。知らないまま10月を迎えて驚くのが、もったいないのです。
数字は毎年変わりますから、気になったときは公式サイトやお住まいの市区町村で最新の情報を確かめてくださいね。
1つだけでも行動できれば、3年後・5年後に少しずつ差になって返ってくるはずですよ。
※ 保険料や給付金などの制度は改正されることがあります。最新の情報は日本年金機構などの公式サイトでご確認いただき、個別のご判断は専門家にご相談ください。

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