「年金額はそんなに変わっていないのに、なぜか引かれるものが多い気がする」——そんな違和感、ありませんか?
実はたった1万円の年金収入の差で、1年で10万円以上も手取りが変わってしまうんです。
その分かれ道になるのが『住民税非課税世帯』かどうか。
しかもその判定は、ちょうど今の5月~7月に関わってきます。
年金の受給額と住民税の関係を知っておくことが、損をしない第一歩です。
今日は、おかんに話すつもりで、損をしないためのチェックポイントをやさしくお伝えしていきますね。
なぜ5月~7月に年金と住民税をチェックすべきなの?

この時期、みなさんのお手元に「住民税の決定通知書」が届きます。だいたい5月~7月頃です。
この通知書を見れば、自分の住民税がいくらなのかが一目でわかります。まずはこれを見逃さないでくださいね。
また、住民税非課税世帯向けの給付金は、この時期の情報をもとに判定されることが多いです。
ただし給付金は、国の補正予算などで臨時に決まるものです。実施の有無・金額・判定の時期はその都度異なります。常に5~7月とは限らないという点は覚えておいてください。
だからこそ、まずは自分の住民税がいくらかを知っておくことが第一歩なのです。
そもそも「住民税非課税世帯」ってどんな人?年金収入の基準は?

住民税非課税世帯とは、その名の通り住民税がかからない世帯のことです。
年金収入が一定のラインを下回っている方が対象になります。
うれしいことに、非課税かどうかの判定に申請は必要ありません。基準を下回っていれば、自動的に判定してもらえます。
ただし注意点があります。「世帯」が対象なので、世帯全員が基準を満たす必要があるんです。
たとえば、ご夫婦2人が基準をクリアしていても、会社員の息子さんや娘さんと同居していると、原則として対象外になってしまいます。
そんなときは、同じ家に住んでいても書類上の世帯を分ける「世帯分離」という合法的な方法もあります。
メリット・デメリットがあるので、別の記事でくわしくお話ししますね。
年金の「211万円の壁」は誰にでも当てはまるわけではない
よく「211万円の壁」と聞きますよね。実はこれ、『一級地』に住んでいる方の話なんです。
一級地とは、東京や大阪など、誰もが知る大都市のこと。地域は一級地・二級地・三級地に分かれていて、これは都市の規模で決まります。
たとえば石川県で一番大きい金沢市や、ボクの故郷である富山県の富山市も、実は『二級地』にあたります。
二級地なら203万円、三級地ならさらに低い基準になることも。まずは、ご自分の住んでいる市区町村が何級地かを確認してみてくださいね。
【一覧】あなたの年金収入は非課税ライン内?いくらまでOK?

65歳を境に「公的年金等控除」(年金収入を低く見積もってくれる仕組み)が手厚くなり、非課税ラインが緩くなります。
【単身世帯の目安(65歳以上)】
- 一級地:155万円
- 二級地:152万円
- 三級地:148万円
※65歳未満はさらに低く、三級地では98万円のケースもあります。
【夫婦2人世帯の目安(65歳以上)】
- 世帯主:一級地211万円・二級地203万円・三級地193万円
- 配偶者:一級地155万円・二級地152万円・三級地148万円
夫婦の場合は、世帯主と配偶者の両方が基準をクリアして、はじめて非課税になります。
これらはあくまで年金収入ベースの『目安』です。自治体・年度・控除の改正で変わりますので、必ずお住まいの自治体の最新基準をご確認ください(2024年時点の情報です)。
たった1万円の差で年金の手取りが年10万円も違う?
では、211万円を1万円だけ超えて、212万円になったらどうなるでしょう。
まず住民税の「均等割」がかかります。さらに国民健康保険料でおよそ3万円、介護保険料でおよそ7万円の差が出る例があります(富山市の一例)。
合計するとおおむね10万円ほどの差に。年金額は毎年大きく変わりませんから、一度超えると毎年損し続けてしまうんです。
※国保料・介護保険料は自治体ごとに料率や軽減判定が大きく異なります。あくまで一例としてお考えください。
非課税世帯なら医療費・介護費の上限も下がります

非課税世帯になると、医療や介護の負担上限も下がります。
高額療養費制度(医療費の月額上限を超えた分が戻る制度)では、一般区分57,600円が、非課税なら35,400円に下がります。
※医療費の上限額は70歳以上と69歳以下で区分が異なります。
年金生活の方は70歳以上の区分になることが多いので、ご自分の年齢区分をご確認ください。
高額介護サービス費(介護費の月額上限)も、課税世帯44,400円が非課税なら24,600円に。
医療と介護を合算した年間上限も下がる仕組みがあります。
これまで高い社会保険料を払ってきたのですから、遠慮せず堂々と使ってくださいね。
非課税ラインを少しだけ超えそう…年金受給の調整方法は?

「計算したら1万円だけ超えそう」というときの対処法もあります。
ひとつは、年金の繰り上げ。受給を早めると1か月あたり0.4%(年4.2%)減額されます。
この仕組みを逆手にとって、あえて受給額を下げる方もいらっしゃいます。
もうひとつは、年金を一時的に支給停止して枠内に収める方法。
ただし自治体や担当者により対応が分かれるため、慎重にお考えください。
いずれも、自分だけで判断せず、年金事務所や役所に相談するのが安心です。
【最新情報の確認を】制度や金額は毎年変わります

最後に大切な注意点をお伝えします。
住民税の均等割は「5,000円」と説明されることが多いですが、2024年度から森林環境税(年1,000円)が上乗せされ、実際は合計6,000円程度になっています。
また、非課税ラインの金額も控除改正や年度によって変わります。
高額療養費や高額介護サービス費も、今後見直しの可能性があります。
→2026年8月の高額療養費制度の変更についてはYouTubeで解説しています
この記事の金額はあくまで目安です。最新情報は役所や公式サイトで必ずご確認くださいね。
まとめ|住民税非課税世帯と年金の確認は5月~7月に
住民税非課税世帯かどうかは、たった数万円の年金収入の差で、年間10万円以上の手取りや医療・介護の負担が変わる大切な分かれ道です。
『かっこ悪いから』と遠慮する必要はまったくありません。これまで高い社会保険料を払ってきた私たちが、正当に受け取れる仕組みなのです。
まずは5月~7月に届く住民税の通知書と、ご自分の年金収入・お住まいの級地を確認してみましょう。
迷ったら年金事務所や役所に相談を。『知って、使う』ことで、大切なお金をしっかり守っていきましょうね。

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