
「9月ごろ、年金機構から封筒が届いていた気がするけれど……」
そんな心当たりはありませんか。
年金生活者支援給付金は、条件を満たしていても、申請しなければ1円も受け取れない制度です。
年金に月5,620円が上乗せされる、大切な公的給付です。
逆に、一度申請してしまえば、条件が続く限り受け取り続けられます。
ご自身が対象でなくても、ご高齢の親御さんが対象かもしれません。
この記事では、受け取れる人の条件、いくらもらえるか、いつから振り込まれるか、そして申請方法までを順に整理しました。
気になるところだけ読んでも大丈夫ですよ。
年金生活者支援給付金とは|年金に月5,620円が上乗せされる制度

満額で月5,620円、年間にすると約6万7,440円です(2026年度)。
年金が少ない方の暮らしを支えるために、税金から支給されるお金です。
「月5,600円くらいか」と思われたかもしれません。
でも、ご夫婦2人ともが対象なら年約13万円、10年で約130万円になります。
こうして並べると、なかなか大きいと思いませんか〜。
なお、給付額は年度ごとに改定されます。
最新の金額は日本年金機構の公式サイトでご確認くださいね。
給付金はいつから振り込まれる?受け取り方は年金と同じ偶数月15日

毎月振り込まれるわけではありません。
原則として偶数月の15日に、年金と一緒に2か月分が上乗せされます。
通帳の記載も年金と合算されます。
つまり、申請していない方は、年金生活者支援給付金の存在に気づかないまま過ぎてしまうのです。
年金生活者支援給付金を受け取れる人の条件は4つあります

次の4つを、すべて満たす必要があります。
- 65歳以上であること
- 老齢基礎年金を受け取っていること
- 世帯全員が住民税非課税であること
- 前年の所得が一定額以下であること
4つすべてに当てはまる方には、原則として日本年金機構から申請書が自動で届きます。
このあと1つずつ、つまずきやすいところを見ていきますね。
【条件①②】繰り上げ受給中・繰り下げ中は給付金を受け取れません

年金を繰り上げて60歳〜64歳で受け取っていても、給付金は65歳にならないと受け取れません。
65歳になる月から請求できます。
反対に、老齢基礎年金を66歳・67歳へ繰り下げている間も受け取れません。
そこで「厚生年金は繰り下げて増やし、基礎年金は65歳から受け取って給付金をもらう」という使い分けをされる方もいます。
ただし、何もしないと厚生年金と基礎年金の両方が繰り下げ扱いになります。
片方だけ繰り下げたいときは、給付金の申請書とは別に、繰り下げの申請書も必要です。
なお、障害基礎年金・遺族基礎年金を受けている方にも、それぞれ対応する給付金があります。
【条件③】住民税非課税は「世帯」で判定されます
ここが一番、外れやすいところです。
判定は個人ではなく世帯単位で行われます。
ご本人が非課税でも、同居のお子さんが働いて課税されていれば、世帯としては非課税になりません。
「あなたは非課税世帯です」という親切な通知は届きません。
住民税の通知はおおむね6月ごろに届きます。
わからないときは、市区町村の窓口で課税・非課税を確認できますよ。
【条件④】前年の所得は「約90万円」ではなく92万6,500円が目安です

前年の公的年金等の収入額と、その他の所得の合計が92万6,500円以下であることが目安です(昭和31年4月2日以後生まれ。それ以前生まれの方は92万4,100円)。
「およそ90万円」とざっくり覚えていると、判断を誤ってしまいます。
所得の基準はここで正確に整理しておきますね。
基準額を少し超えた方向けには、補足的老齢年金生活者支援給付金があります。
対象は所得合計が82万6,500円超〜92万6,500円以下の範囲です(昭和31年4月1日以前生まれは82万4,100円超〜92万4,100円以下)。
つまり所得の基準は2段階になっています。
少し超えていても、あきらめないでくださいね。
基準額も改定されますので、最新の数値は公式サイトでご確認ください。
所得に数えない年金があります|遺族年金・障害年金・失業給付

遺族年金、障害年金、雇用保険の失業給付は非課税です。
そのため、所得の判定には含まれません。
よくあるのが、老齢基礎年金70万円+遺族年金50万円=120万円だから対象外だ、と思い込んでしまうケースです。
実際には遺族年金を除いた70万円で判定されるため、対象になる可能性があります。
自己判断で諦めてしまうのが、一番もったいないことです。
迷ったら問い合わせてみてください。
なお、障害基礎年金・遺族基礎年金の場合は所得の基準そのものが異なります。
公式サイトで別途ご確認ください。
給付金はいくらもらえる?全員が月5,620円ではありません
5,620円はあくまで満額です。
給付額は、保険料を納めた期間に応じた額と、免除期間に応じた額を合わせて計算されます。
単純に納付月数で割るわけではありません。
学生納付特例を使った方、結婚や出産で退職して免除を利用していた時期がある方は、満額に届かないことが多いです。
満額でない方は決してあなただけではありませんので、ご安心ください。
反対に、障害基礎年金1級の方は月およそ7,000円台と、金額が上がるしくみもあります。
正確な金額は、届いた通知や年金事務所で確認するのが確実です。
申請方法はハガキ1枚|9月ごろ届く緑色の封筒がカギです
すでに年金を受け取っている方には、毎年9月ごろ、日本年金機構から申請書が自動で届きます。
封筒は緑色とされていますので、9月の郵便物にご注意ください。
9月の郵便受けは、チラシとダイレクトメールで満員電車のようになっていませんか。
緑色の封筒、うっかり一緒に束ねてしまいがちなんです。
中身はハガキ型の請求書1枚だけ。
書くのは提出日・氏名・電話番号の3つだけで、添付書類も基本的に要りません。
書いたその日のうちに、ポストへ入れてしまうのがコツです。
ご夫婦それぞれが対象なら、申請書も1人1枚ずつ、合計2枚の提出が必要です。
これから65歳になる方の手続きは、年金請求書と一緒に届きます
新しく対象になる方には、65歳のおよそ3か月前に届く年金請求書の封筒に、給付金の申請書が同封されています。
9月の一斉送付は「すでに年金を受け取っている方向け」だと覚えておいてください。
年金請求書と一緒に、忘れずに返送しましょう。
申請を出し忘れると、過ぎた分の給付金は受け取れません
年金生活者支援給付金は、申請しなければ1円も受け取れません。
そして、過ぎた分を後からまとめて受け取ることもできません。
繰り下げ受給のような一括受給はできないのです。
気づいた時点で提出すれば受け取れますが、支給が始まる月は提出時期によって扱いが分かれます。
「◯月分からもらえるはず」と自己判断せず、年金事務所に確認してくださいね。
「知らなかった」だけで、10年で100万円単位の差になります。
申請書が届かないときは給付金専用ダイヤル0570-05-4092へ
条件に当てはまりそうなのに書類が届かない。
そんな声も本当によく聞きます。
申請書が届かないときは、給付金専用ダイヤル0570-05-4092へお問い合わせください。
確定申告や課税情報のデータ連携が遅れ、発送が遅れることもあります。
半月以上待っても届かなければ、電話してみましょう。
行政の手続きにも、人間ですからミスはあります。
「あなたは対象ですよ」「申請を忘れていませんか」と役所から教えてくれることはありません。
鵜呑みにせず、ご自分で確認する姿勢が大切です。
「給付金の対象です」という電話やメールは詐欺です
日本年金機構が、電話やメールで「給付金の対象です」と個別に連絡してくることはありません。
還付金詐欺と同じ手口です。
ATMの操作やキャッシュカードを求められたら、詐欺と考えてまず間違いありません。
すぐ切って大丈夫!
不安になったら、ご自分から公式の番号にかけ直して確認してくださいね。
一度支給が止まった方は、給付金の再請求が必要になることもあります
同居するお子さんの収入などで住民税非課税でなくなると、給付金は支給停止になります。
その後また条件を満たしたときは、あらためて請求が必要になる場合があります。
ただし、停止の理由や時期によっては、年金機構から請求書が送られてくる運用もあります。
「昔出したからもらえるはず」と思い込まず、専用ダイヤルで確認するのが確実です。
給付金を受け取っても税金や社会保険料は増えません
年金生活者支援給付金は非課税で、所得にカウントされません。
所得税・住民税が増えることも、介護保険料などの社会保険料が上がることもありません。
確定申告も不要です。
安心して受け取ってくださいね。
ご自身が対象でなくても、ご両親の郵便物を確認してあげてください
国民年金だけで暮らしている親世代は、条件に当てはまる可能性が高いです。
申請書が届いていたのに気づかず、そのままになってしまった方もいらっしゃいます。
帰省のときに、緑色の封筒や未開封の郵便物がないか、さりげなく見てあげてください。
1年分の郵便物をまとめて置いている方も珍しくありませんので、驚かなくて大丈夫ですよ。
まとめ|年金生活者支援給付金は「たぶん対象外」で諦めるのが一番もったいない
年金生活者支援給付金は、条件を満たしていても申請しなければ1円も受け取れません。
そして、遡って受け取ることもできません。
逆に言えば、ハガキ1枚を出すだけで、条件が続く限り上乗せが続きます。
覚えて帰っていただきたいのは2つです。
遺族年金や障害年金は所得に数えないこと。
そして、住民税非課税は「世帯」で判定されることです。
給付額も所得の基準額も年度ごとに見直されます。
記事の数字は目安として読んでいただき、最終的な判断は公式サイトや年金事務所でご確認くださいね。
全部やらなくて大丈夫です。
まずは通帳の振込額を見る、ご両親に電話して郵便物を聞いてみる。
その一歩から始めてみましょう。
※ 年金生活者支援給付金などの制度は毎年見直されることがあります。最新の情報は日本年金機構の公式サイトでご確認いただき、個別のご判断は専門家にご相談ください。

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