こんにちは!ひろです。
多くの方が60歳や65歳で定年を迎える中で
「このまま働き続けるべきか、それとも慎ましくセカンドライフを送るべきか…」と悩んでいませんか?
実は、この選択を知識がないまま決めてしまうと、知らず知らずのうちに損をしてしまう可能性があるんです。
国は「50代・60代は貴重な人材だから、できるだけ長く働いてね」と言っています。

ボクも、シニア世代が持つ経験値は本当に貴重で、社会にとって必要な力だと心から思います。
しかし、その一方で、国の制度をよく知らないまま働き続けると、かえって手取りが減ってしまうという、なんともやるせない現実もあるのです。
そこで今回は、定年後も働き続けることの「メリット」と、知っておかないと怖い「デメリット」について、どこよりも分かりやすく解説していきます。
この記事を読めば、あなたに合った賢い働き方がきっと見つかりますよ。
定年後も働く2つの大きなメリット
まずは、定年後も働き続けるとどんないいことがあるのか、見ていきましょう。たくさんありますが、今回は特に知っておいてほしい2つのメリットに絞ってご紹介します。
メリット①:年金が着実に増える!「在職定時改定」とは?
当たり前のことかもしれませんが、定年後も会社員として厚生年金に入り続けると、将来もらえる年金額は確実に増えていきます。
ここでぜひ知っておいてほしいのが「在職定時改定(ざいしょくていじかいてい)」という制度です。
昔は、退職するまで働き続けても年金額はアップしませんでした。
しかし今は、働きながらでも、毎年10月からの年金がアップ!
それまでの1年間に納めた厚生年金保険料を反映して、年金額を改定してくれる制度です。
つまり、働き続けた分だけ、毎年ちゃんと年金が増えていく仕組みになったのです。
例えば、65歳から月収20万円で1年間働くと、年間の年金額が約1.3万円アップします。
もし70歳まで5年間働き続ければ、年金額は6万円以上も増える計算になります。
これは一生涯続く増額なので、長く働くほど将来の安心に繋がりますね。
メリット②:いざという時に助かる「雇用保険」が使える
働き続けることで、病気や介護など、万が一の時に生活を支えてくれる「雇用保険」の恩恵を受けられます。
- 介護休業給付金 ご両親の介護などで仕事を休まなければならなくなった時、給料の約3分の2(67%)が給付されます。家族一人につき最大93日間(約3ヶ月)受給できるので、安心して介護に専念できます。
- 高年齢雇用継続給付金 定年後に同じ会社で再雇用された際、給料が定年前の75%未満に下がってしまった場合に、下がった後の給料の最大10%を上乗せしてくれる制度です。(注:この制度は今後、段階的に縮小・廃止される予定)
これらの制度は、退職してしまうと使えなくなります。働き続けるからこそ得られる、大切なお守りのようなものですね。
もし退職するなら「64歳11ヶ月」が最もお得と言われています。
なぜなら、65歳前に退職することで、もらえる日数が多く手厚い「失業手当」を満額受け取れます。
さらに65歳になれば「年金」も受け取り始められるため、ダブルでお得になる可能性があるからです。
詳しくは動画でも解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
要注意!定年後に働くことの2つのデメリット
メリットがあれば、もちろんデメリットもあります。
ここからは、知らないと「こんなはずじゃなかった…」と後悔しかねない、お金の話をしていきます。
デメリット①:年金は増えても「手取り」が減る!?
「頑張って働いて年金を増やしたんだから、手取りも増えるはず!」…そう思いますよね。
しかし、現実は少し違います。
年金額が増えると、その分、年金から天引きされる社会保険料(国民健康保険料、介護保険料)や税金(住民税など)も増えるのです。
- 国民健康保険料:約6,000円〜7,000円
- 介護保険料:約6,000円
- 住民税など:約800円〜
合計天引き額:約13,000円以上
なんと、額面14万円の年金でも、実際に振り込まれるのは12万7,000円ほどになってしまうのです。
頑張って働いて年金を増やした結果、引かれる額も増えてしまう…。
「働けば働くほど取られる」と感じてしまう、なんとも皮肉な仕組みです。
もちろん、年金額そのものは増えるので一概に損とは言えませんが、この事実はしっかり知っておく必要があります。
デメリット②:「住民税非課税世帯」になれず、生涯で200万円損する可能性
これが最も注意してほしいポイントです。
いわゆる「211万円の壁」というものです。
この211万円の金額はお住まいの都市の規模や、単身か夫婦かによって変動します
住民税非課税世帯になれるかどうかは、世帯全員の所得で決まります。
もし、あなたの年金収入がこの壁を少しでも超えてしまうと、「住民税非課税世帯」の様々な恩恵が受けられなくなってしまうのです。
住民税非課税世帯の主なメリット
- 国民健康保険料や介護保険料が全額免除または大幅に減額される。
- 国からの給付金(7万円や10万円など)の対象になる。
- 医療費の自己負担上限額が低くなる。
例えば、年金収入が210万円の人と、頑張って働いた結果212万円になってしまった人。
このわずか2万円の差で、社会保険料の負担だけでも年間10万円以上の差が生まれます。
これが20年続くと、生涯の手取りで200万円以上の差になってしまうのです。
この制度を知っている人は、あえて年金の受給を繰り上げたり、支給を一部停止したりして、意図的に「211万円の壁」を越えないように調整することもあります。
もし、働いているお子さんと同居していることで世帯の所得が上がり、非課税世帯になれない場合は「世帯分離」という方法があります。
これは、住民票の上で世帯を分ける手続きのこと。
親世帯だけが住民税非課税世帯の認定を受けられる可能性があります。
※ただし、扶養から外れるデメリットもあるため、慎重な検討が必要
まとめ:知っているか、知らないか。それが分かれ道。
定年後に働くことは、生きがいや経済的な安定に繋がる素晴らしい選択です。
しかし、その裏には知っておくべき制度の落とし穴がたくさんあります。
- 在職定時改定で毎年年金が増える。
- 雇用保険で介護や賃金低下のリスクに備えられる。
- 年金が増える分、天引きされる社会保険料や税金も増える。
- 「211万円の壁」を越えると住民税非課税世帯の恩恵が受けられず、生涯で大きな損をする可能性がある。
結局のところ、一番大切なのは「制度を正しく知り、自分に合った選択をする」こと。
10年後に後悔しないよう、正しい知識を持って選びたいですよね。
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